いっしょに暮らしていくために必要なこと
人間と犬が一緒に楽しく心地よく暮らしていくためには、犬のしつけ(=人間のぶれない態度)が大切です。マテ、フセ、タテなどを教えることだけでなく、人に襲いかからない、変なものを拾い食いしない、決まった場所以外でトイレをしないなどの禁止事項や、遊んでいいおもちゃと悪いおもちゃの 区別などを教えることも犬のしつけになります。
犬にしつけができていると、どのような状況下でも飼い主の言うことを聞き、回りに迷惑がかからないように行 動するので、飼い主さん本人が楽なのです。何歳からでも大丈夫です!

あなたの仔犬に、まず1番にして欲しいこと
仔犬のうちから十分に社会化させること
これは大袈裟に言っても言い過ぎではありません。生後16週間以前にこれから仔犬が一生のうちに出会うであろう全てのものに会わせること。もし、そうしてもらわなければ後々、出会ったものに十中八九、恐怖や警戒心を感じるでしょう。
親切な大人・子供・老人・若者・青い髪の者・ハンディキャップのある人・髭のはえた人・ 帽子をかぶった人・松葉杖・ステッキを持った人・変わった癖のある人等に仔犬を 紹介すると良いでしょう。
車・自転車・獣医・大きな音・他の動物・よちよち歩きの幼児・階段・水・掃除機・ 着ぐるみの人等色々な変わったものを安全に紹介してやる事が大切です。
もし、犬がそれを恐れなければ、自己防衛の為に攻撃したりはしないはずです。 十分に順応した仔犬は噛み犬にはなりません。仔犬を連れ出して、あらゆることに 順応させてください。それも安全に!!
幼いうちから、触ったりグルーミングしたりすることに慣れさせること
犬は一生を通して触られたり、撫でられたり、保持されたり、抑えられたりというようなグルーミング等のたくさんの世話をされなくてはなりません。
もし、あなたの犬が特定の触られ方や特定の場所を触られるのを嫌がるなら、これは大きな問題に発展するでしょう。今、仔犬はただあなたに警戒して唸るだけかもしれませんが、それをさせておくと、本当に爪切りをしたり、治療を受けさせたり、抑えられたりしなければならない時、仔犬はあなたを噛みさえするようになるでしょう。
幼いうちから(仔犬を迎えてすぐ)抱かれたり、足先を触ったり、撫でたり、わき腹を 抱えられたりすることに慣れさせてください。この接触が怖くなくて害もないと教えることで、仔犬は余計なことを考えることなくそれを受け入れるようになるでしょう。
第一印象はとても大切です。例えば、本当に爪を切る前に足先を握る練習をし、パッドをこすり、爪に触り、爪切りを当ててみる、というふうに。
人間と犬との主従関係
アタッチメント…犬に“人間がボスなんだよ”と伝えるスキンシップの方法
1日に数回、毎日続けると非常に効果的です
【1つ目の方法】…小型犬・仔犬
飼主と犬が向き合い、犬の胸のあたりを飼主が支え、犬の両前肢を浮かせます。この時、犬が嫌がるようであれば「NO!」「ダメ!」 などの声をかけます。犬がおとなしくしていられたら、ゆっくりと肢を地面に下ろし、 十分に誉めます。
【2つ目の方法】…中型犬~
飼主が犬の後ろに立ち、覆い被さるようにして犬の胸のあたりを支え、犬の両前肢を浮かせます。この時、犬が嫌がるようであれば「NO!」「ダメ!」などの声をかけます。 犬がおとなしくしていられたら、ゆっくりと肢を地面に下ろし、十分に誉めます。
【3つ目の方法】
まず、飼主が地面に座り両足を大きく広げます。足の内側に犬を寝かせ(犬の足は外向きに)、おとなしく横になっていたらお腹のあたりをゆっくり撫でま す。この時も犬が嫌がるようであれば「NO!」「ダメ!」などの声をかけ、撫でる手を止めます。 犬がしばらくおとなしくしていられたら、ゆっくりと解放します。
成犬のしつけ
チェックしてみましょう
- あなたのわんちゃんはお散歩の時、ちゃんとペースを合わせて安全にあるくことができますか?
- 「スワレ」と言われたら、いつでもどこでもお利口に座っていられますか?
- 病院の診察台やトリミングルームのテーブルの上できちんと「タテ」ができますか?
- 「コイ」と呼べば必ずすぐにあなたのところに戻ってきますか?
- ハウスや犬舎でお行儀良くお留守番ができますか?
- 「ヤメ!」と言われたらすぐに吠えるのを止められますか?
- 他のわんちゃんに対して友好的に振舞うことができますか?
- ひとに身体のどこを触られても平気でいられますか?
「スワレ・フセ・タテ・マテ・コイ・ツイテ・ハウス・ホエロ・ヤメ」etc.このような基本的な号令をわんちゃんが理解し、従えるようになれば、愛犬との生活は豊かで幸せな、何にもかえがたいものになることでしょう。
幼犬時代にしつけをしても、それを一生通して実践していかなければ、わんちゃんは忘れて問題行動が起こってくるかもしれません。 良いこと・悪いことはいくつになってもその場その場でわんちゃんにしっかりと教え、伝えることが大切です。
成犬から何かを教え始めるのと、仔犬のうちに教えるのとでは労力は大きく違ってきますが、幼犬時代にそのチャンスがなかったわんちゃんも、時間をかけ愛情と忍耐とで教えてあげれば、必ずそれに答えてくれるものです。